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by nicoxz

LINEヤフー、2030年にシステム基盤を統合へ

by nicoxz
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はじめに

LINEヤフーは2030年にも、LINEとヤフーで異なるデータやシステム管理の基盤を統合する方針を明らかにしました。両方のビッグデータを活用できる環境を構築し、人工知能(AI)の力も借りて、事業の垣根を越えたサービス提案を増やす計画です。

2023年10月の合併以来、LINEヤフーは100を超えるネットサービスを傘下に抱えていますが、サービス間の連携は積年の課題となっていました。今回の基盤統合は、この課題を解決し、グループ全体のシナジーを最大化するための戦略的な取り組みです。

システム基盤統合の計画

2025年度末にIT基盤を構築

LINEヤフーは、まず2025年度末に土台となるIT(情報技術)システムの基盤を構築する予定です。その上で、2030年を目途にLINEとヤフーのデータ・システム管理基盤を完全統合することを目指しています。

現状では、2023年10月の合併後も、旧LINEと旧ヤフーで別々のシステムを使用している部分が多く残っています。これらのデータを統合的に扱えるようにすることで、両社が持つ事業アセットやシステムの強みを相互に活用できる環境を整えます。

プライベートクラウドの統合

クラウド領域では、両社がそれぞれ運用してきたプライベートクラウドを統合する「Flava」プロジェクトを推進しています。年内に主要機能をリリースし、移行を本格化する計画です。

自社クラウドの活用によるコスト効率化に加え、認証や決済など共通機能を集約することで、サービス運営の最適化を図ります。

データ活用の強化

リアルタイムデータ処理

基盤統合の重要な目的の一つが、データ活用のリアルタイム性向上です。ユーザーの行動データを即時にレコメンデーションやパーソナライゼーションに反映させるシステム基盤の構築が進められています。

LINEは1対1のコミュニケーションに強みを持ち、ヤフーは検索から購入まで約100のサービスを展開し多様なデータ基盤を保有しています。両者のデータを統合的に分析できるようになれば、ユーザー理解とサービス提案の精度が大幅に向上することが期待されます。

ビッグデータソリューションの進化

LINEヤフーが提供する「ヤフー・データソリューション」では、LINEに関連するユーザー行動データの連携が予定されています。「自社のLINE公式アカウントを友だち追加した」「自社のLINE広告に接触した」といったユーザーセグメントが追加され、Yahoo! JAPANとLINE双方のビッグデータを統合的に分析できるようになります。

広告プラットフォームの統合

2026年春に「LINEヤフー広告」へ

サービス連携の具体的な成果として、2026年春に広告プラットフォームの統合が実現する予定です。Yahoo!広告ディスプレイ広告を土台にした新プラットフォームへ移行し、名称も「Yahoo!広告」から「LINEヤフー広告」へ変更されます。

両プラットフォームのデータを統合活用することで、ターゲティング精度の向上や広告効果の改善が期待されています。すでにYahoo!ディスプレイ広告とLINE広告の相互配信やIDの連携は進んでおり、完全統合に向けた準備が着々と進んでいます。

AIカンパニーへの進化

全サービスのAIエージェント化

LINEヤフーは「AIカンパニーへの進化」を公式に宣言し、2つの柱を掲げています。

  1. すべてのサービスのAIエージェント化
  2. 全領域の生産性を2倍に引き上げ

2025年7月には、全従業員約1万1,000人に対し、生成AIの業務活用を義務化すると発表しました。3年間で生産性を2倍に高めるという野心的な目標を設定しています。

独自AIツールの成果

LINEヤフーは独自AIアシスタント「チャットAI」を2023年12月に導入し、コーディング支援や情報収集、翻訳文書の作成などに活用しています。導入から8か月間で、業務時間を累計約38万時間削減する成果を上げました。

さらに、社内情報を効率的に引き出せるRAG型の「Seek AI」や、2025年6月から全社導入されたChatGPTエンタープライズなど、複数のAIツールを組み合わせて生産性向上を図っています。

開発生産性の向上

AI開発支援ツールも充実しています。UIデザインからコードを自動生成する「UI to Code」、IDE上でのコーディング支援「Code Assist」、AIによるコードレビュー「Code Review」などが用意されています。

検証の結果、Code Assistは正答率96%を達成し、APIドキュメント生成時間は62.5%短縮、テストカバレッジは32%向上するなど、具体的な成果が現れています。2025年には開発生産性を10%以上向上させることを目指しています。

サービス連携の具体例

アカウント連携による利便性向上

LINEとYahoo! JAPANのアカウント連携により、サービス間のスムーズな情報連携が可能になっています。例えば、Yahoo!カレンダーで登録した予定をLINEの友だちと共有できるなど、ユーザーの利便性が向上しています。

Connect One構想

LINEヤフーは、法人向けサービスのあらゆる顧客接点を一気通貫させ、LTV(顧客生涯価値)を最大化させるプラットフォーム「Connect One」構想を推進しています。この構想のもと、ビッグデータをこれまで以上に横断的かつ幅広く利活用できる環境を整備しています。

注意点・今後の展望

100超のサービス統合の課題

LINEヤフーは100を超えるネットサービスを抱えており、すべてを効率的に連携させることは容易ではありません。技術的な課題に加え、組織文化の統合や意思決定プロセスの調整も必要となります。

プライバシーへの配慮

データ統合にあたっては、ユーザーのプライバシー保護が重要な課題です。LINEヤフーは責任あるAIへの取り組みを進めており、データの適切な利活用とプライバシー保護の両立を図る姿勢を示しています。

2030年に向けた展望

2030年は、AI活用が企業の競争力の前提条件となり、人間とAIの協働が新常態になると予想されています。LINEヤフーのシステム基盤統合は、この時代を見据えた先行投資といえます。

まとめ

LINEヤフーが2030年を目途にシステム基盤を統合する方針を打ち出しました。LINEとヤフーのビッグデータを統合的に活用し、AI技術と組み合わせることで、事業の垣根を越えたサービス提案の実現を目指しています。

2026年春の広告プラットフォーム統合を皮切りに、段階的にサービス連携が進む見通しです。100を超えるネットサービスを抱えるLINEヤフーにとって、基盤統合の成否は今後の競争力を左右する重要な取り組みとなります。

参考資料:

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