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by nicoxz

日経スマートワーク大賞2026をソフトバンクが受賞した理由

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はじめに

日本経済新聞社が主催する「日経スマートワーク大賞2026」の大賞にソフトバンクが選出されました。この賞は、人的資産の充実とテクノロジー活用を通じて生産性と企業価値を高めている先進企業を表彰するものです。

ソフトバンクは過去にも2023年に大賞を受賞しており、今回で2度目の大賞獲得となります。同社の働き方改革は、単なる制度導入にとどまらず、全社員がAIを日常的に活用する文化を構築したことが高く評価されました。

本記事では、ソフトバンクがなぜ再び大賞に輝いたのか、その背景にある具体的な取り組みと成果について詳しく解説します。

日経スマートワーク大賞とは

調査・評価の仕組み

日経スマートワーク経営調査は、2017年から日本経済新聞社と日経リサーチが共同で実施している調査です。全国の上場企業と有力非上場企業を対象に、企業の働き方改革への取り組みを評価しています。

評価は「人材活用力」「人材投資力」「テクノロジー活用力」の3つの柱から総合的に行われます。調査票の回答内容に加え、日経新聞記者による評価や開示データなども考慮され、星1つから星5つまでの5段階で格付けされます。

2026年の受賞企業

2026年の受賞企業は以下の通りです。

  • 大賞: ソフトバンク
  • 審査委員特別賞: 富士通
  • 人材活用力部門賞: ソニーグループ

これらの企業は、それぞれの強みを活かした働き方改革を推進し、成果を上げていることが評価されました。

ソフトバンクの先進的なAI活用戦略

全社員参加のAIエージェント作成プロジェクト

ソフトバンクは2025年6月から、全社員がAIを日常的に活用できる環境を整備しました。「1人100個のAIエージェントを作成する」という野心的なプロジェクトを開始し、わずか2カ月半で250万を超えるAIエージェントが誕生しています。

このプロジェクトの目的は、AIを使うことを特別なことではなく、日常の行動に変えることでした。プロジェクト終了後のアンケート(回答者9,207名)では、約9割の社員が生成AIへの理解が深まったと回答し、約8割が今後の業務で生成AIを活用していくイメージができたと答えています。

生成AI活用コンテストの成果

ソフトバンクグループでは、生成AI活用コンテストを継続的に実施しています。累計提案件数は19万件に達し、優勝賞金は1,000万円という国内でも類を見ない規模で推進されています。

このコンテストから生まれた成功事例として、法人営業部門での営業向け生成AIアシスタントがあります。現場社員が発案したこのツールは数千人が利用し、2023年度下期から2024年度上期の1年間で約8.7万時間分の業務を削減しました。

AIエージェントを「デジタル労働力」として活用

ソフトバンク社長の宮川潤一氏は、AIエージェントを新たな「デジタル労働力」と位置付けています。2025年は「AIエージェント元年」とも呼ばれ、自律的に考え動くAIの概念が社会に浸透し、実装フェーズへと大きく進展した年でした。

同社は2025年12月に法人向けAIエージェントプラットフォームサービス「AGENTIC STAR」の提供を開始し、自社での実践を外部にも展開しています。また、先端AIオペレーター「X-Ghost(クロスゴースト)」の提供も開始しました。

審査委員特別賞・富士通の取り組み

ワークライフシフトの実践

審査委員特別賞を受賞した富士通は、「Work Life Shift」という働き方改革イニシアチブを推進しています。テレワーク実施率80%を達成し、副業・ワーケーション制度も完備するなど、現代の働き方を先導する企業へと変貌しました。

同社は現在「Work Life Shift 2.0」として、ウェルビーイングの実現を目指した取り組みをさらに進化させています。

DX人材の育成と組織変革

富士通はDX推進指標で大きな成果を上げており、4年間でDX指標を1.9から3.56まで上昇させました。この数値は日本のDX先行企業の中でもトップクラスです。

情報システム部門の50%をDX人材にシフトさせる取り組みも進めており、全社員を対象にDXや最新テクノロジーに関する知識・スキルを習得するための支援を強化しています。特徴的なのは、社員ではなく経営層から受講する形をとり、会社全体でデジタル人材育成に取り組んでいることです。

ジョブ型人材マネジメントの拡大

2026年度の新卒採用から、富士通は「ジョブ型人材マネジメント」の考え方を拡大しています。学歴別の一律初任給ではなく、ジョブレベルに応じた処遇へ切り替え、大半の新卒入社者は年収約550万円から700万円程度となる見込みです。高度な専門性を有する人材は年収約1,000万円程度になることもあります。

人材活用力部門賞・ソニーグループの特徴

「Special You, Diverse Sony」の人材理念

ソニーグループの人材理念は「Special You, Diverse Sony」と定義されています。会社は個性豊かな社員一人ひとりにさまざまな機会を提供し、お互いが選び合って成長していくという考え方です。

創業者の井深大は「企業はお城と同じ。強い石垣はいろいろな形の石をうまくかみ合わせることによって、強固にできる」と述べ、多様性の重要性を当初から強調していました。この理念は現在も継承されています。

ジョブグレード制度による柔軟なキャリア形成

ソニーグループでは「ジョブグレード制度」を採用しています。等級は「I等級群」と「M等級群」の2つに分かれており、その時々の役割によって上下左右にシームレスに行き来できる体系となっています。

社内募集制度により、グループ内の様々なポジションで新しいジョブにチャレンジでき、応募については異動が決定するまで現在の職場の上司には知らせない仕組みになっています。これにより、社員が主体的にキャリアを形成できる環境が整っています。

次世代経営人材の育成

「ソニーユニバーシティ」は、将来の経営を担う人材を育成するために2000年に設立された社内教育機関です。「経営ビジョンと戦略を描きリードする人材の創出」「ソニースピリットの継承」「グループ経営を行うための人的ネットワークの形成」をミッションに掲げています。

累計参加者数は1,400人余りで、全世界6事業から多様な社員が参加しています。

今後の展望と課題

AI活用の更なる深化

2026年以降、企業の働き方改革は更にAI活用と融合していくと予想されます。ソフトバンクのように全社員がAIを使いこなせる組織を構築することが、競争力の源泉となるでしょう。

経済産業省は国産AIの研究開発力強化のため、2026年度から5年間で総額約1兆円規模の公的支援を計画しています。ソフトバンクも2026年度から6年間でAIの学習・開発に使うデータセンターに2兆円を投じる見込みです。

人的資本経営の重要性

日経スマートワーク経営調査が評価する3つの柱、「人材活用力」「人材投資力」「テクノロジー活用力」は、いずれも人的資本経営の根幹をなす要素です。テクノロジーを導入するだけでなく、それを使いこなす人材を育成し、活用できる組織文化を醸成することが重要です。

まとめ

日経スマートワーク大賞2026では、ソフトバンクが大賞、富士通が審査委員特別賞、ソニーグループが人材活用力部門賞を受賞しました。これらの企業に共通するのは、テクノロジー活用と人材育成を車の両輪として捉え、組織全体で変革を推進している点です。

特にソフトバンクは、250万を超えるAIエージェントの作成や約8.7万時間の業務削減など、具体的な成果を上げています。働き方改革を検討している企業にとって、これらの先進企業の取り組みは参考になるでしょう。

参考資料:

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