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by nicoxz

新築マンション固定資産税優遇へ 管理計画認定制度が拡大

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はじめに

マンション購入を検討する際、毎月の住宅ローン返済額だけでなく、修繕積立金や管理費も重要な判断材料となります。特に修繕積立金については、購入当初は低く抑えられていても、将来的に大幅な値上げが必要になるケースが少なくありません。

こうした問題に対応するため、国土交通省は既存マンション向けに2022年から運用している「マンション管理計画認定制度」を、2027年春にも新築物件に拡大する方針を示しています。この制度では、修繕積立金を当初から適正水準に設定し計画的に積み立てることを条件に、将来の固定資産税減税を受けられる仕組みが整備されます。

本記事では、新築マンションへの認定制度拡大の背景や仕組み、購入者にとってのメリットと注意点について詳しく解説します。

マンション管理計画認定制度とは

制度創設の背景

マンション管理計画認定制度は、2020年の「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」改正により創設されました。令和4年(2022年)4月から、マンション管理適正化推進計画を策定した地方公共団体において、一定の基準を満たすマンションの管理計画を認定できる仕組みが始まっています。

この制度が生まれた背景には、日本全国で進むマンションストックの老朽化問題があります。国土交通省の調査によれば、2022年末時点で全国のマンションストックは約694万戸に達しており、築40年を超える物件は今後急増する見込みです。一方、建替えが実現したのはわずか0.3%程度にとどまっており、既存マンションの適切な維持管理が喫緊の課題となっています。

認定基準の主な内容

管理計画認定を受けるためには、以下のような基準を満たす必要があります。

  • 管理者等および監事が定められていること
  • 集会(総会)が年1回以上開催されていること
  • 管理費と修繕積立金等の区分経理がなされていること
  • 長期修繕計画が7年以内に作成または見直しされていること
  • 長期修繕計画の期間が30年以上で、大規模修繕工事が2回以上含まれていること
  • 将来の一時金徴収を予定していないこと
  • 修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと

これらの基準は、マンションの長期的な維持管理を担保するために設定されています。

新築マンションが抱える修繕積立金の問題

段階増額積立方式の落とし穴

新築マンションの多くは「段階増額積立方式」を採用しています。国土交通省の調査では、2015年以降に完成したマンションの約70%がこの方式を採用しており、購入当初は月額7,000円程度だった修繕積立金が、30年間で約28,000円まで増額される計画となっているケースも珍しくありません。

この方式には大きな問題があります。計画どおりに増額しようとしても、区分所有者間の合意形成が難しく、約3割のマンションが計画通りの値上げを実現できていないという調査結果があります。値上げに成功したマンションでも、その割合は約6割にとどまっています。

均等積立方式のメリット

一方、「均等積立方式」は計画期間を通じて一定額を積み立てる方法です。長期にわたって金額が変わらないため、増額のための合意形成に何度も取り組む必要がありません。国土交通省もこの方式を推奨しています。

特に重要なのは、ライフプランとの整合性です。40歳でマンションを購入した場合、約20年後の60歳前後から収入が減少する傾向があります。段階増額方式では、ちょうどこの時期に修繕積立金の負担が最大になるため、家計を圧迫するリスクが高まります。

新築物件への認定制度拡大のポイント

制度拡大の狙い

2027年春に予定されている新築物件への認定制度拡大は、マンション販売時点から将来の修繕積立金不足を防ぐ狙いがあります。デベロッパーが「将来、固定資産税の減税を受けられる」ことを販売時のアピールポイントとして活用できるようになります。

認定を受けるためには、新築時から修繕積立金を高めに設定し、長期修繕計画に基づいて計画的に積み立てることが条件となります。これにより、将来の大規模修繕工事に必要な資金を確実に確保できる物件であることを、購入前に確認できるようになります。

固定資産税減税の仕組み

管理計画認定を受けたマンションでは、長寿命化に資する大規模修繕工事を実施した際に固定資産税の減税を受けられます。具体的には、外壁塗装、床防水、屋根防水といった工事を行った場合、工事翌年の建物部分の固定資産税が6分の1から2分の1の範囲で減額されます。

新築マンションの場合、通常でも固定資産税の軽減措置があり、新築後5年間(認定長期優良住宅は7年間)は税額が2分の1に減額されます。認定制度に適合した物件を購入すれば、この軽減期間終了後も、大規模修繕の際に減税メリットを享受できる可能性が開けます。

購入者にとってのメリットと注意点

認定物件を選ぶメリット

管理計画認定の対象となる新築マンションを選ぶことには、複数のメリットがあります。

第一に、将来の修繕積立金不足リスクを軽減できます。当初から適正な金額で積立てを行うため、後になって大幅な値上げや一時金の徴収を求められる可能性が低くなります。

第二に、マンションの資産価値維持につながります。適切に管理されたマンションは市場で高く評価される傾向があり、売却時にも有利に働く可能性があります。

第三に、住宅ローンの金利優遇を受けられる場合があります。住宅金融支援機構の「フラット35」や「マンション共用部分リフォーム融資」では、認定物件に対する金利引き下げ措置が設けられています。

注意すべきポイント

一方で、いくつかの注意点もあります。

認定を受けるためには修繕積立金を高めに設定する必要があるため、月々の出費は段階増額方式の物件より当初は高くなります。住宅ローンと合わせた総支出額を事前にしっかり確認することが重要です。

また、認定制度は自治体が運用するものであり、地域によって対応状況が異なります。購入を検討しているエリアで制度が利用可能かどうか、事前に確認が必要です。

100年マンションを目指す時代へ

建物の長寿命化が当たり前に

鉄筋コンクリート造建物の物理的寿命は117年と推定されており、適切な管理を行えば100年以上維持できるとされています。構造躯体の耐用年数は120年、外装の仕上げを適切に行えば150年も可能だという研究結果もあります。

こうした「100年マンション」を実現する鍵は、建物の構造よりも住民の管理意識にあります。計画的に修繕費を積み立ててメンテナンスできていれば、マンションは長持ちします。新築段階から認定制度に対応した物件を選ぶことは、こうした長寿命化への第一歩といえるでしょう。

設備更新の視点も重要

建物本体だけでなく、給排水管などの設備にも注意が必要です。一般的な配管設備の寿命は25〜30年といわれており、躯体より先に更新が必要になります。長期修繕計画には、こうした設備更新の費用も織り込まれている必要があります。

まとめ

新築マンションへの管理計画認定制度の拡大は、将来の修繕積立金不足を未然に防ぎ、マンションの長寿命化を促進する重要な施策です。購入者にとっては、認定対象物件を選ぶことで将来の金銭的リスクを軽減でき、固定資産税の減税メリットも期待できます。

マンション購入を検討する際は、販売価格やローン返済額だけでなく、修繕積立金の設定方式や認定制度への対応状況も確認することをおすすめします。当初の負担が少し高くても、長期的な視点で見れば合理的な選択となる可能性があります。

参考資料:

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