2026年確定申告はスマホで簡単に、マイナポータル連携で入力不要
はじめに
確定申告のシーズンがやってきました。2026年の確定申告書の受け付け開始は2月16日(月)、提出期限は3月16日(月)までです。還付申告であれば1月1日から可能になっています。
今年は「年収の壁」引き上げをはじめとする様々な変更点があります。しかし、従来より手軽になったスマートフォンとマイナンバーカードを使った申告方法を使えば、複雑な手続きも効率的に進められます。
この記事では、スマホ確定申告の方法とマイナポータル連携のメリット、そして2026年の主な変更点について解説します。
スマホ確定申告の方法
必要なもの
スマホで確定申告を行うには、以下のものが必要です。
- マイナンバーカード
- マイナンバーカード読取対応のスマートフォン
- マイナポータルアプリ(インストール済みであること)
マイナンバーカードの暗証番号(利用者証明用電子証明書の4桁の暗証番号)も必要になりますので、事前に確認しておきましょう。
2026年からの新機能:生体認証の活用
令和7年分から新たに「iPhoneのマイナンバーカード」もご利用いただけるようになりました。確定申告前に「iPhoneのマイナンバーカード」または「Androidスマホ用電子証明書」を追加すると、暗証番号の入力と実物のマイナンバーカードの読み取りの代わりに、端末に設定された顔認証や指紋認証を使って、よりスムーズに確定申告ができます。
基本的な流れ
- マイナポータルアプリを起動
- マイナンバーカードを読み取って本人認証
- 確定申告用のデータを連携
- 国税庁の確定申告書等作成コーナーにアクセス
- 画面の指示に従って必要事項を入力
- e-Taxで電子申告
マイナポータル連携のメリット
データ自動入力とは
「マイナポータル連携」を利用すると、マイナポータル経由で各種証明書等のデータを一括取得し、確定申告書の該当項目へ自動入力できます。
従来は自身で領収書を集めたり、金額を計算して手入力したりする必要がありましたが、連携を設定すれば入力の手間が大幅に軽減され、入力ミスもなくなります。
自動入力の対象データ
収入に関する情報:
- 給与所得の源泉徴収票
- 公的年金等の源泉徴収票
- 株式の特定口座年間取引報告書
- 生命保険契約等の一時金及び年金の支払調書
- 損害保険契約等の満期返戻金等及び年金の支払調書
所得控除に関する情報:
- 生命保険料控除証明書
- 地震保険料控除証明書
- ふるさと納税(寄附金控除)
- 医療費通知情報
- 国民年金保険料
- 国民年金基金掛金
- iDeCo(個人型確定拠出年金)
- 小規模企業共済掛金
2026年からの新機能
2026年1月からは以下が改善されました。
- 家族分の医療費などの各種控除を代表者がまとめて行うための代理設定の案内をわかりやすく改善
- 証明書等の取得状況をより正確に確認できるようステータスの表示を改善
- 新たにふるさと納税以外の寄附金控除、生命保険の一時金や年金、損害保険の満期返戻金や年金などの証明書等の取得が可能に
設定は初回のみ
マイナポータル連携の設定は初回のみで済みます。確定申告でデータを連携したい各種証明書等が増えない場合、翌年以降の設定は不要です。
2026年確定申告の主な変更点
年収の壁が178万円に
今年の確定申告で最も大きな変更点は「年収の壁」の引き上げです。所得税のかかり始める年収の壁は、2024年まで103万円でしたが、2025年に160万円となり、2026年には178万円まで引き上げられます。
この引き上げは、基礎控除の拡大と給与所得控除の引き上げによって実現されています。
基礎控除の引き上げ
これまで一律48万円だった基礎控除額が、所得に応じて引き上げられました。
| 所得金額 | 基礎控除額 |
|---|---|
| 132万円以下 | 95万円 |
| 132万円超〜336万円以下 | 88万円 |
| 336万円超〜489万円以下 | 68万円 |
| 489万円超〜655万円以下 | 63万円 |
| 655万円超〜2,350万円以下 | 58万円 |
給与所得者の約8割を占める給与収入665万円以下の方について、大きな減税となる見込みです。
給与所得控除の引き上げ
給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に引き上げられました。年収190万円未満の給与所得者は、控除額が引き上がるため税負担が軽減されます。
扶養関連の所得要件変更
基礎控除の見直しに伴い、以下の所得要件も変更されています。
- 扶養親族・同一生計配偶者の所得要件:48万円→58万円
- 配偶者特別控除の対象:48万円超133万円以下→58万円超133万円以下
- 勤労学生の所得要件:75万円→85万円
特定親族特別控除の創設
2026年の確定申告から「特定親族特別控除」が新たに創設されます。19歳以上23歳未満の親族(主に大学生年代)を扶養している場合に適用される控除制度です。
注意すべきポイント
社会保険の壁は別
「年収178万円まで非課税」というのは所得税に関してのみです。住民税は別途課税されます。また、社会保険の壁(106万円・130万円)は依然として存在するため、「税金はゼロでも社会保険料で手取りが減る」ケースに注意が必要です。
時限措置に注意
基礎控除の上乗せ部分(特例措置)は2026年・2027年の時限措置です。2028年以降の制度がどうなるかは、今後の議論次第となります。
マイナポータル連携の事前準備
マイナポータル連携を利用する場合、事前に連携設定を行っておく必要があります。確定申告期間直前に慌てないよう、早めに設定を済ませておきましょう。
確定申告が必要な人
給与所得者で確定申告が必要なケース
- 給与収入が2,000万円を超える
- 2か所以上から給与を受けている
- 副業の所得が20万円を超える
- 医療費控除やふるさと納税の寄附金控除を受けたい
- 住宅ローン控除の1年目
確定申告で還付を受けられるケース
- 医療費が年間10万円を超えた
- ふるさと納税でワンストップ特例を使わなかった
- 年の途中で退職し、年末調整を受けていない
まとめ
2026年の確定申告は、スマートフォンとマイナンバーカードを使えば、従来より格段に簡単になっています。マイナポータル連携を設定すれば、給与や医療費などのデータが自動入力され、入力の手間と入力ミスを大幅に減らせます。
年収の壁が178万円に引き上げられるなど、税制改正による変更点も多いですが、基本的には多くの給与所得者にとって減税となる方向です。早めに準備を始め、期限内にスムーズに申告を済ませましょう。
参考資料:
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