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by nicoxz

ゼンショーがゼッテリアに全面転換、多角化から選択と集中へ

by nicoxz
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はじめに

外食業界の国内トップ企業であるゼンショーホールディングスが、大規模なブランド再編に乗り出しました。54年の歴史を持つ「ロッテリア」の国内全店を「ゼッテリア」に転換し、カフェ事業からは撤退する方針です。

ゼンショーといえば、M&A(合併・買収)による積極的な多角化で知られています。すき家、はま寿司、ココス、ビッグボーイなど、世界で約40ブランド・1万5000店以上を展開する巨大外食グループです。そのゼンショーが多角化路線を見直し、「選択と集中」へ舵を切る意味とは何か。本記事では、この戦略転換の背景と今後の展望を解説します。

ロッテリアからゼッテリアへの転換

54年の歴史に幕

ロッテリアは1972年に日本で1号店をオープンして以来、54年にわたり国内で展開されてきたバーガーチェーンです。元々は韓国ロッテグループの傘下で運営されていましたが、2023年にゼンショーホールディングスが買収しました。

2026年3月をめどに、ロッテリアの国内全店舗が閉店し、「ゼッテリア」へ順次転換されます。これにより、長年親しまれてきたロッテリアブランドは日本国内から姿を消すことになります。

ゼッテリアとは何か

ゼッテリアは2023年9月に誕生した新業態です。ブランド名は、メイン商品である「絶品バーガー」と、気軽に楽しめるお店という意味の「カフェテリア」を組み合わせた造語です。

ロッテリア店舗からの業態転換もあり、ゼッテリアの店舗数は急速に拡大しています。2025年12月時点で172店舗に達し、最終的には約280店舗まで増やす計画です。ゼンショーは「ファストフードなのにゆっくりできる店」というコンセプトで、従来のバーガーチェーンとの差別化を図っています。

多角化路線からの転換

40ブランドの統廃合に着手

ゼンショーホールディングスは全世界で約40あるブランドの統廃合に乗り出します。ロッテリアのゼッテリア転換に加え、カフェ事業からの撤退も決定しました。

この決断の背景には、2025年6月に就任した小川洋平社長の方針があります。小川社長は「カテゴリー別で1位を目指すことが難しい場合は整理していくことが考えられる」と述べており、「勝ち筋のある業態」への経営資源集中を明確に打ち出しています。

M&Aによる拡大の功罪

ゼンショーは1982年の創業以来、積極的なM&Aで急拡大してきました。2011年には外食業売上高で日本一の座を獲得し、2025年3月期には国内外食業界初となる売上高1兆円を達成しています。

しかし、ブランド数の増加は経営資源の分散も意味します。すべてのブランドで競争力を維持し、成長させることは容易ではありません。特にカフェ市場ではスターバックスやドトールといった強力な競合がひしめいており、後発のゼンショーが1位を狙うのは難しい状況でした。

新社長が描く成長戦略

小川洋平社長の経歴と手腕

小川洋平氏は創業者・小川賢太郎氏の次男で、1979年生まれの45歳です。2004年に財務省に入省後、2016年にゼンショーHDに入社しました。経営戦略全般に携わり、2018年には買収した米・テイクアウト寿司企業の責任者として海外事業の成長に貢献しています。

2025年2月に副社長に就任し、同年6月には代表取締役社長兼CEOに昇格しました。財務省出身という経歴を活かした合理的な経営判断が期待されています。

「基盤強化」と「業態の磨き込み」

小川社長が掲げる成長戦略の第一歩は、国内事業の基盤強化です。「きれいなお店でおいしい商品を提供する」という基本の徹底を掲げ、清掃時間の確保、衛生教育、老朽店舗の改装などを進めています。

同時に「出店できる業態への磨き込み」も重要テーマです。現状、年間数十店舗単位で出店できている業態は限られており、商品、オペレーション、店舗デザインの改善を急ピッチで進める方針です。ゼッテリアへの一本化も、この「業態の磨き込み」戦略の一環といえます。

ゼンショーの業績と展望

国内外食業界トップの実力

2025年3月期決算では、売上高1兆1366億円(前年同期比17.7%増)、営業利益751億円(同39.9%増)と、2桁の増収増益を達成しました。世界の店舗数も1万5419店舗に達しています。

主力の「すき家」セグメントは売上高2957億円(同11.5%増)、「はま寿司」セグメントは売上高2484億円(同26.1%増)と、いずれも好調です。特にはま寿司は営業利益が前年比87%増と大きく伸びています。

中期経営計画の目標

2025年5月に公表された中期経営計画では、2028年3月期に連結売上高1兆4810億円、営業利益1165億円を目指しています。これは2025年3月期比でそれぞれ30.3%増、55.1%増という野心的な目標です。

海外売上高の比率も高める計画で、2025年3月期の29.8%から2028年3月期には31.6%へ引き上げる見込みです。はま寿司は「国内寿司チェーン店売上・店舗数No.1へ」という目標を掲げ、積極出店を続けています。

注意点・展望

バーガー業界での競争

ゼッテリアの成功は、バーガー業界での競争力にかかっています。マクドナルド、モスバーガーといった大手に加え、近年はシェイクシャックなどの海外勢も参入しています。

ゼッテリアが掲げる「ファストフードなのにゆっくりできる店」というコンセプトが消費者に受け入れられるか、280店舗体制で収益性を確保できるかが注目点です。

ブランド統廃合のリスク

ブランド統廃合には、既存顧客の離反というリスクもあります。ロッテリアには54年の歴史があり、固定ファンも少なくありません。ゼッテリアへの転換がスムーズに進むかどうかは、移行期の店舗オペレーションと顧客コミュニケーションにかかっています。

また、カフェ事業撤退に伴う店舗スタッフの処遇や、テナント契約の整理なども課題となります。

まとめ

ゼンショーホールディングスは、ロッテリア全店のゼッテリア転換とカフェ事業撤退を通じて、M&Aによる多角化路線から「選択と集中」へ戦略を転換しています。小川洋平新社長のもと、「カテゴリーで1位を目指せる業態」に経営資源を集中させる方針です。

国内外食業界初の売上高1兆円を達成したゼンショーが、次の成長ステージでどのような姿を見せるのか。2028年3月期の中期目標達成に向けて、ブランド再編の成否が試されることになります。外食業界の動向を見守る上で、ゼンショーの戦略転換は重要な先行事例となるでしょう。

参考資料:

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