ローソン「盛りすぎチャレンジ」で50%増量、物価高に挑む
はじめに
ローソンは2026年1月27日から、価格据え置きで内容量を約50%増やす増量企画「盛りすぎチャレンジ」を開始します。2025年度に入って3度目の開催となり、プレミアムロールケーキや鶏のから揚げ弁当など、全35商品が4週にわたって登場します。
物価高が長期化する中、消費者の節約志向は一層強まっています。コンビニは「割高」というイメージと戦いながら、いかに来店動機を高めるかという課題に直面しています。本記事では、ローソンの盛りすぎチャレンジの詳細から、コンビニ業界全体の価格戦略まで幅広く解説します。
盛りすぎチャレンジの概要
企画の内容と期間
「盛りすぎチャレンジ」は、価格はそのままに内容量を大きく増量する人気キャンペーンです。今回で通算7回目の開催となります。2026年1月27日(火)から4週間にわたり、毎週異なる商品が増量版として販売されます。
注目商品の「盛りすぎ!プレミアムロールケーキ」と「盛りすぎ!ソース焼そば」は1月26日(月)から先行発売されます。合計35種類の商品が対象で、デザート、弁当、おにぎり、麺類など幅広いカテゴリーをカバーしています。
主な対象商品
増量企画の目玉商品をいくつか紹介します。「盛りすぎ!プレミアムロールケーキ」は税込214円、「盛りすぎ!ふわ濃チーズケーキ」は税込319円で提供されます。いずれも価格は通常版と同じながら、クリームや具材が約50%増量されています。
弁当類では「盛りすぎ!鶏のから揚げ弁当」が税込592円で登場。から揚げの個数が増え、ボリューム感が大幅にアップします。「盛りすぎ!カツカレー(中辛)」は税込697円で、とんかつが1個増量されます。
おにぎりでは「盛りすぎ!具!おにぎり ポーク玉子(シーチキンマヨネーズ)」が税込322円で販売されます。具材がたっぷり入った満足感のある一品です。
また、「マチカフェ メガホットコーヒー」は1月27日から2月9日のセール期間中、通常360円が260円の100円引きとなり、実質50%以上増量のお得感を提供します。
創業50周年との連動
この企画は、ローソンの創業50周年記念施策「マチのハッピー大作戦」の一環として実施されています。ローソンは1975年に大阪府豊中市で1号店をオープンして以来、半世紀にわたりコンビニエンスストア事業を展開してきました。
2025年6月から2026年2月末まで続く記念企画の中で、盛りすぎチャレンジは消費者に直接還元する目玉施策として位置づけられています。これまでの感謝を込めて、お得でハッピーになってもらうことを目的としています。
物価高とコンビニの価格戦略
コンビニ=割高というイメージ
セブン-イレブン・ジャパンの調査によると、一般消費者1万人を対象にしたアンケートで63.9%がコンビニは割高だと回答しています。この「割高」イメージは年々増加しており、過去2年で約4%増加したというデータもあります。
物価高騰が続く昨今、コンビニ惣菜も値上げが相次いでいます。以前は「便利さ」に価値を見出してコンビニを利用していた消費者も、価格面の厳しさを感じるようになっています。スーパーマーケットやドラッグストアとの価格競争も激化しており、コンビニ各社は対応を迫られています。
なぜ「値引き」ではなく「増量」なのか
コンビニ各社が「値引き」ではなく「増量」を選ぶのには、いくつかの理由があります。まず、値引きは商品のブランド価値を毀損するリスクがあります。一度下げた価格は元に戻しにくく、消費者の価格期待値も下がってしまいます。
一方、増量は期間限定であることが明確で、通常価格への復帰が自然に受け入れられます。また、増量は計画的な生産が可能であり、サプライチェーン管理の観点でも合理的とされています。
さらに、増量企画は「お得感」を視覚的にアピールしやすいという利点があります。パッケージに「50%増量」と大きく表示することで、棚の前で即座に消費者の目を引くことができます。
各社の対応状況
ローソン以外のコンビニ各社も、増量キャンペーンや価格戦略の見直しを進めています。ミニストップは「50%増量」企画を展開し、ローソンストア100でも「デカ盛りチャレンジ」を2026年1月28日から4週間開催します。物価高が長期化する中、全31品を週替わりで発売し、100円台の商品も多数ラインアップしています。
セブン-イレブンは消費者の節約志向に対応するため、お手頃価格商品「うれしい値!」の品揃えを増やしています。価格帯の構成を「松・竹・梅」で分類し、低価格帯の「梅」の比率を拡大する方針を打ち出しています。
プレミアムロールケーキの歩み
コンビニスイーツ革命の立役者
盛りすぎチャレンジの目玉商品である「プレミアムロールケーキ」は、コンビニスイーツの歴史を語る上で欠かせない存在です。2009年9月に発売され、発売後5日間で全国100万個を売り上げる空前のヒットとなりました。
発売当時、コンビニスイーツといえば大容量のプリンや大きなシュークリームなど、男性向けの商品が主流でした。プレミアムロールケーキは「女性向けのスイーツ」「一人前」「スプーンで食べられる」という新しいコンセプトで、コンビニスイーツの概念を塗り替えました。
累計5億個超の実績
プレミアムロールケーキは、発売以来15年以上にわたって進化を続けています。これまでに190種類以上のバリエーションが発売され、シリーズ累計5億個以上を販売しています。その時々のお客様のニーズやトレンドに合わせて、価格も含め8回の仕様変更を実施してきました。
2025年8月には、物価高の中でも多くのお客様に楽しんでいただきたいという思いから、品質を落とすことなく発売以来初めての値下げを実施。現行品よりも13円引き下げた税込214円でリニューアルされました。
コンビニスイーツ市場への影響
プレミアムロールケーキの成功は、コンビニスイーツ市場全体を活性化させました。2009年は「コンビニスイーツ元年」と呼ばれるようになり、競合各社も相次いでロールケーキを投入しました。「コンビニロールケーキ戦争」という言葉が新聞やニュースサイトで踊るほどの盛り上がりを見せました。
これまでコンビニスイーツに目を向けなかった女性客の購入が増加し、会社帰りの「ご褒美」としてコンビニスイーツが再定義されました。24時間営業の強みを活かし、いつでも手軽に本格的なスイーツが楽しめるという価値が認知されるようになりました。
消費者心理とSNSの影響
「安さ」より「納得感」
物価高の中で消費者が求めているのは、単なる「安さ」だけではありません。「この価格でこの内容なら納得」という感覚、つまりコストパフォーマンスへの納得感が重要になっています。
コンビニおにぎりが300円を超える時代において、「おにぎり専門店で200〜300円出す方がコスパがいい」と感じる消費者も増えています。しかし逆に言えば、コンビニ商品でも専門店品質のものが提供されれば、消費者は価値を認めてくれるということでもあります。
増量キャンペーンは、まさにこの「納得感」を提供する手法です。通常価格では「ちょっと高いかな」と感じる商品でも、50%増量されることで「これならお得」と購入を決断できます。
SNSが生む話題性
盛りすぎチャレンジのようなキャンペーンが成功する要因の一つに、SNSでの話題性があります。キャンペーンが始まると、XやInstagramには「#盛りすぎチャレンジ」などのハッシュタグを付けた投稿があふれます。
企業が提供した「ネタ」を消費者がSNSで「育てていく」という共創関係が生まれています。増量された商品を撮影して投稿することで、自然と宣伝効果が広がります。この口コミ効果こそが、コンビニ増量キャンペーンを社会現象に押し上げる最大の要因といえます。
売り切れ情報がSNSで拡散されることで、逆に品薄感が購買意欲を刺激するという現象も見られます。2009年のプレミアムロールケーキ発売時も、空の棚の写真がSNSにアップされることで人気に拍車がかかりました。
注意点・今後の展望
増量企画の持続可能性
増量キャンペーンは消費者にとっては嬉しい企画ですが、企業にとっては利益を圧縮する施策でもあります。原材料費や物流費の上昇が続く中、どこまで増量企画を継続できるかは不透明です。
ローソンは創業50周年という節目を活かして大規模な還元を行っていますが、恒常的に増量を続けることは難しいでしょう。期間限定だからこそ価値がある、という側面もあります。
コンビニの差別化競争
コンビニ各社が増量キャンペーンを競い合う中、消費者の目も肥えてきています。「どこがいちばんお得か」を比較する消費者も多く、単に増量するだけでは差別化が難しくなっています。
今後は、増量だけでなく「何を増量するか」「どんな体験を提供するか」という質的な部分での競争が重要になるでしょう。オリジナル商品の開発力や、地域限定商品の展開など、各社の独自性が問われる時代に入っています。
まとめ
ローソンの「盛りすぎチャレンジ」は、物価高に苦しむ消費者に向けた魅力的な企画です。価格据え置きで約50%増量という分かりやすいお得感が、来店動機を高めています。2025年度3度目の開催となり、全35商品が4週にわたって登場します。
コンビニ業界は「割高」というイメージを払拭するため、様々な価格戦略を展開しています。増量キャンペーンは、ブランド価値を維持しながらお得感を訴求できる有効な手法として定着しました。SNSでの話題性も相まって、消費者との新しい関係性を築いています。
物価高が続く中、消費者の「納得感」をいかに提供するかが、コンビニ各社の課題となっています。盛りすぎチャレンジはその一つの解答であり、今後も形を変えながら続いていくことでしょう。
参考資料:
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