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by nicoxz

スバルが自社工場でEV生産開始、トレイルシーカーで新時代へ

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はじめに

スバルは2026年2月4日、群馬製作所矢島工場(群馬県太田市)で新型電気自動車(EV)「トレイルシーカー」の生産を開始したと発表しました。これはスバルにとって、2000年代に販売した軽自動車のEVを除けば、自社工場でEVを量産する初めての取り組みとなります。

スバル初のグローバルEV「ソルテラ」はトヨタ自動車に生産を委託していたため、今回のトレイルシーカーの生産開始は同社の電動化戦略において大きな転換点を意味します。トヨタとの20年にわたる協業の成果が、ついに自社工場でのEV生産という形で結実しました。

この記事では、トレイルシーカーの特徴、スバルの電動化戦略、そしてトヨタとの協業の今後について詳しく解説します。

トレイルシーカーの特徴

車両スペックと性能

トレイルシーカーは、スバルとトヨタが共同開発したグローバルBEV(バッテリ電気自動車)ラインアップの第2弾となるモデルです。2026年春に国内発売を予定しています。

ボディサイズは全長4,845mm×全幅1,860mm×全高1,675mm、ホイールベースは2,850mmです。先代のソルテラと比較すると、6インチ以上長く、約1インチ高くなっており、特に後部の荷室スペースが拡大されています。

駆動方式は2WD(FF)と4WD(AWD)の2タイプを用意しています。AWDモデルは前後に配置された2つの電動モーターにより、最高出力約375馬力を発揮します。0-60マイル/h(約96km/h)加速は4.4秒で、これはスバル史上最速の市販車となります。

バッテリーと航続距離

バッテリーは74.7kWhのリチウムイオン電池を搭載しています。一充電走行距離は2WDモデルで700km以上、AWDモデルでも260マイル(約418km)以上を実現しています。

牽引能力は最大3,500ポンド(約1,590kg)で、アウトドアレジャーにも対応できる実用性を備えています。

価格設定

米国市場での価格は39,995ドル(約600万円)からとなっています。先行して発売されたソルテラと比較すると、より大きなボディサイズと高い性能を備えながらも競争力のある価格設定となっています。

矢島工場での生産体制

混流生産の実現

今回の生産開始にあたり、スバルは矢島工場の製造ラインを改修しました。最大の特徴は、ガソリン車やハイブリッド車(HV)とEVを同一ラインで混流生産できる体制を構築した点です。

これにより、市場の需要変動に柔軟に対応しながら、効率的な生産を実現することが可能になります。EVの需要が急増した場合には生産比率を上げ、逆に需要が落ち着いた場合にはガソリン車やHVの生産に切り替えることができます。

生産能力と計画

矢島工場では、月産1万5,000〜2万台程度のEV生産能力を確保する計画です。当初は年間10万台を想定していましたが、現在は20万台規模への拡大を見据えています。

また、2027年以降には大泉工場でも新型EVの生産を開始する予定で、両工場合わせて年間40万台のEV生産能力を持つことになります。

スバルの電動化戦略

2028年までに8車種のEVを投入

スバルは2028年までに8車種のEVをラインアップに加える計画を発表しています。2026年末までに4車種(ソルテラを含む)、2028年末までにさらに4車種を追加する予定です。

2026年末までの4車種はすべてトヨタとの共同開発によるSUVタイプです。一方、2028年以降に登場する4車種は、スバルが独自開発するモデルとなります。

2030年の目標

スバルは2030年にEVの販売比率を50%にすることを目標としています。グローバルで少なくとも120万台を販売し、そのうち60万台以上をEVにする計画です。

最大市場である米国(売上の約70%を占める)では、2028年に40万台のEV販売を目指しています。

電動化への投資

スバルは2030年までに電動化に約105億ドル(約1.5兆円)を投資する計画です。これには、すでに発表済みの17億ドル以上の投資も含まれています。

トヨタとの協業の深化

20年の歴史

スバルとトヨタのアライアンスは2005年に始まり、2025年で20年の節目を迎えました。トヨタはスバルの株式の約20%を保有しており、両社は開発、生産、サプライチェーンなど幅広い領域で連携を強めてきました。

EV相互供給体制

2026年末までに、スバルとトヨタはEV4車種を相互供給することで合意しています。具体的には、トヨタの米国工場で生産するEVをスバルに供給し、スバルの矢島工場で生産するEVをトヨタに供給する形です。

トヨタも矢島工場で生産される「bZウッドランド」を2026年に北米などで発売する予定です。基幹部品の共通化により、生産コスト削減と開発期間短縮を図っています。

リスク分散の考え方

スバルの大崎篤社長兼CEOは、「EVの黎明期は先を読むのが難しい。当社の企業規模では、単独でやっていくのはリスクが大きい」と述べています。トヨタとの協業により、開発リスクを軽減しながら電動化を進める戦略です。

今後の注目点

ハイブリッド車の強化

スバルはEV移行期においてハイブリッド車を「極めて重要」と位置付けています。トヨタから部品供給を受けて開発する「次世代e-BOXER」の中核部品生産を2024年秋から開始しており、クロストレックやフォレスターのハイブリッドモデルも準備中です。

EVの需要が一時的に鈍化する「踊り場」の時期が来ることを想定しつつも、中長期的にはEVが普及していくという見方を維持しています。

新型EV「アンチャーテッド」

2025年に発表された新型EV「アンチャーテッド」も、2026年に米国市場で導入予定です。トレイルシーカーとともに、スバルのEVラインアップを拡充していきます。

独自開発EVへの期待

2028年以降に登場する4車種の独自開発EVがどのような特徴を持つかも注目されます。トヨタとの共同開発で培った技術を基盤に、スバル独自の「安心と愉しさ」をどう表現するかが見どころです。

まとめ

スバルが矢島工場でEV「トレイルシーカー」の生産を開始したことは、同社の電動化戦略における重要なマイルストーンです。トヨタとの20年にわたる協業の成果が、自社工場でのEV量産という形で結実しました。

375馬力、航続距離700km以上というトレイルシーカーの性能は、EVでもスバルらしい走りの楽しさを追求した結果といえます。ガソリン車との混流生産体制により、市場の変化にも柔軟に対応できる体制が整いました。

2028年までに8車種のEVを投入し、2030年にはEV販売比率50%を目指すスバル。トヨタとの協業を軸にしながら、独自の価値を持つEVメーカーとしての地位を確立できるか、今後の展開が注目されます。

参考資料:

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