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by nicoxz

リニア静岡工区、水問題決着で年内着工へ前進

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はじめに

リニア中央新幹線の静岡工区着工に向けて、最大の障壁だった水資源問題がついに決着しました。2026年1月24日、JR東海と静岡県は、工事後に県内の河川の流量が大きく減少して水利用に影響が出た場合、JR東海が補償するとの確認書を締結しました。

この問題は、JR東海が大井川上流部の流量減少を予測してから12年以上にわたって協議が続いてきました。鈴木康友知事が2026年内の着工を容認する可能性が高まっており、最短で2035年の品川〜名古屋間開業が視野に入ってきています。

水問題の経緯

川勝前知事の懸念表明

水問題が表面化したのは2017年のことです。当時の川勝平太知事が、リニア静岡工区の工事により県中部を流れる大井川の流量が減少する恐れがあると懸念を表明しました。

リニア中央新幹線の静岡工区は、南アルプスを貫通するトンネル工事が中心となります。この工事により、大井川の水源となる地下水脈に影響を与える可能性があるとして、静岡県は慎重な姿勢を示してきました。

大井川の重要性

大井川は静岡県中部を流れる一級河川で、流域には茶の産地として知られる島田市や掛川市などがあります。農業用水や工業用水、生活用水として地域の産業と生活を支えており、流量の減少は地域経済に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

JR東海の当初の説明では、トンネル工事により毎秒約2トンの水が県外に流出する可能性があるとされ、これが県側の強い反発を招きました。

補償合意の内容

確認書の締結

2026年1月24日、JR東海の丹羽俊介社長が静岡県庁を訪れ、鈴木康友知事と確認書の締結式を行いました。この確認書には、工事に伴い県内の水利用に影響が出た場合の対応が明記されています。

具体的には、JR東海が復旧の措置を講じ、対応が困難な場合は補償を行うことで合意しました。

重要なポイント

今回の合意で特に重要なのは以下の点です。

第一に、補償の請求期限や対象期間について制限を設けないとしたことです。工事の影響は長期間にわたって現れる可能性があるため、期限を設けないことで流域住民の不安を軽減しました。

第二に、被害と工事の因果関係の立証を県や流域関係者に求めないとしたことです。通常、補償を受けるには被害者側が因果関係を証明する必要がありますが、この負担をJR東海側が負うことで、実質的な補償を受けやすくしています。

関係者の反応

鈴木知事のコメント

締結式後、鈴木知事は「不安や懸念を払拭するかたちで、確認書が締結できたことは本当によかった」と述べました。また、今後のJR東海との協議について「スピード感を持って丁寧に進めていきたい」と語り、着工に向けた前向きな姿勢を示しました。

鈴木知事は2024年の知事選で、リニア問題の早期解決を公約に掲げて当選しており、今回の合意はその公約実現に向けた大きな一歩となります。

JR東海の期待

丹羽社長は「早期の開業のために静岡工区に一日でも早く着手したい」と期待を示しました。静岡工区は約10キロメートルにわたるトンネル工事で、リニア中央新幹線の全ルートの中でも最も難易度が高い区間とされています。

JR東海としては、着工が遅れれば遅れるほど開業時期に影響が出るため、一刻も早い着工を望んでいます。

今後の課題と見通し

残された技術的課題

水問題は決着しましたが、環境保全対策などについてはまだ協議が続きます。ただし、これらは技術的な課題に絞られており、政治的な対立を伴う問題ではありません。

具体的には、南アルプスの生態系への影響を最小限に抑えるための工法や、工事中の環境モニタリングの方法などが協議されています。

開業時期の見通し

静岡工区が2026年内に着工すれば、最短で2035年の品川〜名古屋間開業が視野に入ります。当初計画では2027年開業を目指していましたが、静岡工区の遅れにより大幅に後ろ倒しとなっていました。

リニア中央新幹線が開業すれば、東京〜名古屋間は現在の約1時間40分から約40分に短縮されます。さらに将来的には大阪までの延伸も計画されており、日本の大動脈輸送を大きく変える可能性があります。

注意点・展望

工事中のリスク管理

着工後も、実際に水への影響が出ないか継続的なモニタリングが必要です。補償の仕組みがあるとはいえ、一度失われた水資源を完全に回復させることは困難です。JR東海には、工事中の環境管理に万全を期すことが求められます。

他地域への影響

静岡工区の問題解決は、他の大規模インフラ事業にも影響を与える可能性があります。地元の懸念に真摯に向き合い、補償の仕組みを整備することで合意に達した今回の事例は、今後の参考になるでしょう。

まとめ

リニア中央新幹線の静岡工区をめぐる水問題は、12年以上にわたる協議の末、ようやく決着しました。補償の請求期限を設けず、因果関係の立証責任をJR東海側が負うという踏み込んだ内容の合意により、流域住民の不安解消を図っています。

2026年内の着工が実現すれば、2035年の品川〜名古屋間開業に向けて大きく前進することになります。今後は環境保全対策などの技術的な協議を経て、実際の工事開始に向けた準備が進められる見通しです。

参考資料:

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